SketchUp Web版を使って3Dプリンタ向けモデルを作る

僕が愛用しているSketchUpという3Dモデリングのソフトがあるんですが、無料で使えるWeb版があるのでそれを紹介(簡単な使い方を含めて)しようと思います。

SketchUpとは

米Trimble社が開発しているサーフェイスモデリングの3Dモデリングソフトで、「1.線を引く 2.面を作る 3.引っ張る」という簡単な作業で3Dモデルが作ることができます。教育分野から建築設計まで幅広い業界で使われているソフトです。

ちなみに、いっときはGoogleが「Google SketchUp」としてWindows/Mac向けに無料でアプリを配布していました。当時はGoogle Earthブームがあったりして、大衆による3Dモデリングの敷居を下げた事は特記すべきと思います。

それから3Dプリンタの普及によるMakerブームが始まった昨今、もちろんSketchUpがそれを引っ張っていくんだな、と思ってたんですが何を狂ったかアプリ版を有料サブクリプションに移行し、無料はWeb版だけとなってしまいました。

これでは敷居の低さが特徴であるSketchUpではなく、どうせお金を払うならもっと良いやつにしようと思う人が多くいると思います。

高機能すぎますが無料であるBlenderを使うとか、個人でもFusion360とかSolidWorksを使う人もいると思います。

Trimbleよ、非常に残念です。

SketchUpはIllustratorやベクター系のペイントソフトのようにパスを描いて面を作ることで3Dモデルを作ることができます。

サーフェイスモデリング(面を作り組み合わせる)という方式で、面を組み合わせて3Dモデルを作ります。サーフェイスモデルは中が空洞になります。非常に簡単なんですが3D業界では特殊です。

例えば同じようによく使われるSolidWorksというソフトではソリッドモデリングと言い、こちらは中身に肉があります。

pastedGraphic.png

現実空間では面という概念で物体が存在していないので(例えば、段ボールにも厚みがありますよね) 3DプリンタやCAM/MCなどではソリッドモデルを使うことになります。

え?じゃあダメじゃん」と思ったあなた、最近のSketchUpは閉じた面で構成された物体を自動的にソリッドに変換する機能があります。

Web(無料)を使ってみよう

ということで(Webですしちょっとやりづらいですが)無料版を使ってみましょう。

Start SketchUp

アカウントが必須になるので、持ってない人はTrimbleアカウントを作成します。

ログインするとアラートが出るので同意します。

pastedGraphic_1.png

「OK」を押すと、トップ画面にうつります。

早速やってみましょう。

pastedGraphic_2.png

左上の「新規作成」から「シンプルなテンプレート – ミリメートル」を選択します。

SketchUpはインチがデフォルトなんですが、今回は3Dプリンタ向けのモデルを作るのでミリメートルで行きます。

進むと、メイン画面が出てきます。

何やら、おばちゃんが電話してますね。

まず、おばちゃんを消します。

pastedGraphic_3.pngカーソルでクリックすると青色で囲まれます。(これが選択状態です)

pastedGraphic_4.png

そしてそのまま「delete (backspace)」キーを押します。

ボッ

おばちゃんが消えます。

ちなみに毎回人間が立っているので消さないと始まりません。(バージョンによって人が違います)

家を作ってみます

SketchUpのチュートリアルではよく家を建てるんですが、今回もそれをやってみたいと思います。

左のツールバーから「pastedGraphic_5.png長方形ツールR」 を選択します。

pastedGraphic_6.png

クリックして、始点を作りもう一度クリックして長方形を仕上げます。

pastedGraphic_7.png

これで面が作れましたね。

次にSketchUpの醍醐味、「pastedGraphic_8.pngPush/Pull(プッシュプルツール)P 」を使います。

pastedGraphic_9.png

pastedGraphic_8.pngカーソルを面に持っていくとブツブツが表示されます。この表示は今からこの面を動かすぞ、という合図です。

そのままクリックしてドラッグします。

伸びましたね!!

まだ全然家に見えないんですが、次は屋根を作っていきます。

pastedGraphic_10.pngラインツールL」を選択します。このツールは線を描くことができます。

さっき作った直方体にpastedGraphic_10.pngカーソルを持っていきます。「中点」と表示されるところに持っていってクリックします。

pastedGraphic_11.png

そしてそのまま反対側に引っ張ります。

(この時線が緑色になると思いますが、これはモデル空間の緑軸に沿って描いてますよ~ってことです。)

次に「pastedGraphic_12.png移動ツール」を選択し、今引いた線を選択します。

そしてそのまま上(青の軸線上)に引っ張ります。

家っぽくなりましたね!!

2分くらいあれば、誰でもこのぐらいまではできるんですが、今回はやめておきましょう。

 

STLファイルでエクスポートする

左上のメニュー(横棒3本から)を開き、エクスポート→STLを選択します。

すると作ったデータがSTLでダウンロードできます。

こんなモデルを3Dプリントすると素材が無駄でしゃーないですが、チェックのためにスライサーソフトなどで開けるか確認します。

SketchUpは性質上直線やポリゴンを作るのは得意なんですが、曲面やメッシュを作るのには一工夫必要です。こういう不得意箇所を改善するプラグインも有志の方が多く配布してらっしゃるのですが、残念。Web版では使えません

本当にTrimbleはどうしたんでしょうか。

先が思いやられますが、僕はこのままSketchUpを使い続けていこうと思います。

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