1月30日に発売されたばかりの、KORG minilogueが届きました。
先日のNAMM Show 2016で発表されたばかりの新商品です。
このニュースを見た後、予約可能なオンライン・ショップが出るとすぐに予約しました。(お店によると、初めての客だったらしい)
今まで、アナログ・モデリングのポリフォニック・シンセサイザーは存在したが、この機種はディレイを除いて音が通る場所は完全にアナログです。
スイッチの切り替えや、和音で弾いていると本当にアナログなんだという感触が伝わってきますね。
音的にはJUNOっぽい繊細な音?という感じがしたが、ヴィンテージな音色以外にもイマドキのデチューン・リードなんかが作れたりして、まさに「新しいアナログ」っぽい音です。
届いて2日、いろいろ遊んでみたので記事にしてみます。
各VCOには鋸波・三角波・矩形波が内蔵されており、これらはSHAPEノブによって変化させることができます。矩形波ではパルスワイズ、鋸波・三角波では途中反転ができるようになっています。またVCO2にはシンク、リングモジュレーターにクロスモジュレーションが付いていて、一通りの音作りはすることができます。
ミキサーではVCO1、VCO2、NOISE(ホワイトノイズ)の各レベルが選べるようになっています。全てが独立して操作できるのが嬉しいですね。
ピッチベンダーは、写真で見る限り使えなさそうでしたが、割と普通に使うことができます。ただし、姫神のこぶし回しみたいなベンドをしようとすると、ちょっとバネが固すぎるように思えます。(おもちゃのピンボールのパドルのような感じ)
ただしポルタメントやベンド幅をノブで変えられないのはちょっとダメやね。
フィルターは、良く言えば使いやすく、悪く言えば面白くないです。
というのもなんか効きが浅い?
思い切ってモノフォニック用のMS-20 フィルターなど搭載すればまた違ったかもしれないと思います。
EGと合わせて使っても、概ね良し。その他のノブにも言えることですが、EG INT の”0″の値で少し遊びがあるのが使い易いです。
KEY TRACK、VELOCITYは三段階のトグルスイッチ。
minilogueで唯一、ダメダメなのがこのディレイ。
自分はヘッドフォンを直でシンセに刺して遊ぶタイプの人間なので、内蔵エフェクトがあることは嬉しいです。
でも今回は「今時ポリフォニックなのにフル・アナログ」というところを推しているのになんで中途半端な???
ディレイ関係の操作子を乗せる場所に、本来乗っているはずのポルタメントやベンド幅のつまみを付けれたのでは??
さらに、コーラス〜フランジャーまで行き来できるディレイなら良かったですが、それほど緻密にディレイ・タイムを調整することは不可能でした。
アナログ素子が絶滅で高価なのはわかるけど。。。
開発1部のチーフ・エンジニアである高橋達也氏は「自分がシンセを使うときに必ず欲しくなるから」とおっしゃっているが、なんだか納得いかないですね。
地味に嬉しいのが、16ステップのポリフォニック・シーケンサ。
ポリで記録できるし、あとのエディットも簡単。これだけで全然使えます。試してないですが、MIDI OUTも使えるかな。もしくは単体で製品化して欲しいかもw
さらにvolcaやElectribeなどでお馴染みのMotion Sequence機能があり、各パラメーターの移り変わりを記録することができますね。
またSYNCがあるのもいい。
今回はSQ-1、volca sampleとともに同期させてみました。テンポがちょっとだけ不安定でしたが、同期することができました。
次に、見た目。
表面はApple製品のようなアルミ・パネルですね。
プロトタイプ感を出そうとしたらしいが、かっこよくて完璧なフォルムになっています。X-Y方向になだらかなRがかかっていることも特記すべきやと思います。
ツマミは黒い色が全体を引き締めている印象があります。回し具合、KORG製品にしては重い方かな?
あとMoog Rogueっぽいトグル・スイッチも全体にマッチしていますね。
極め付けに右部にある有機ディスプレイ。こちらには常時オシロスコープが表示されます。
いつもはビンテージもののアナログ・オシロスコープを使用していますが、minilogueに乗っているものはものすごく精度が良く、デザインとしても楽しいです。ただし、時々ハングアップしてしまうことがあるので、これはファームウェアアップデートで解消されることを願います。
電源投入時〜チューニング時には、一瞬だがブロック崩しが楽しめます。チューニング待ち時間の配慮かな。KORGっぽい。
minilogue、チューニング中にブロック崩しができる pic.twitter.com/JCKlkW4ajk
— kurogedelic (@kurogedelic) 2016, 1月 30
表面に見えるビスは最近のKORGっぽく六角ネジです。
背面はウッドパネルになっています。これはアナログシンセやで。サイドパネルでなくリアパネルなところもなんだか面白いっす。
USBでDAWに接続した時、全てのパラメータはコントロール・チェンジとして操作できるようになります。つまりはアナログシンセですが、DAW上でパラメータの編集ができるということですね。
これはものすごく便利。プラグイン・オンリーのプロジェクトにいとも簡単に本物のアナログ・シンセの居場所を作ることができます。
Logic Pro X 10.2.1 でも正常に書き込むことができました。
ただし、CCの命令が名前と一致していなかったり、再生時にうまく動作しないです。ドライバか本体ファームウェアのアップデートで修正されることを望みます。
加えて本体リアにはMIDIのIN/OUTも装備されています。
SQ-1でのMIDI OUTはコネクタをなくしたのでテストできていないですけど。
あ、そういえばMIDI検定3級受かりました。
衝動買い(というよりは衝動予約)してしまったんですが、これで5万は安いと思います。
買うべき人:
買わなくても良い人:
まだ2日しか触ってないですが、これからもっと、自分のワークスタイルに馴染んでくる予感がします。部屋が狭く常時置く場所がないですが、これからもバシバシ使っていきたいです。
まだアナログ・ポリフォニックシンセに慣れていないような感じもする今のKORG、これからが楽しみですわ。
あーKORG、すきっ